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    幻想建築術

    篠田真由美

     
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    『龍の黙示録』系の幻想小説。著者らしい物語。

     
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    感染夢

    明野照葉

     
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    オーソドックスな伝奇ホラー。初出が2003年の文庫化らしいので、かなり懐かしいテイストの物語になっている。

     
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    ウツボカズラの夢

    乃南アサ

     
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    ひどく後味が悪い読後感。捕虫花のウツボカズラ。この小説のウツボカズラは誰でしょう?という話なんだろうが…。う~ん。描かれる「幸せ」が幸せに見えないことが原因だろうか。

     
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    アンダルシア

    真保裕一

     
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    舞台はスペインとアンドラ公国、それにフランス国家警察も絡んできて、映画化される作品らしい華美さ。派手に周囲が動き回る割には、中身がしょぼい。著者が官僚に何か含むところがあるのか、たかだか電話でのやり取りの言葉尻とらえて「官僚体質批判」は聊か辟易。小役人シリーズのワールドワイド版という感じ。アンドラの二人の現場刑事がめちゃくちゃイイ。

     
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    天使の歩廊-ある建築家をめぐる物語-

    中村弦

     
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    天才を巡る人間の業と哀切が心に残るよい物語だった。時代背景も明治から昭和初期という、今の世から見れば、どこか浮世離れして見える時代だったのも物語の不思議感を増幅させている。凡才でも天才でもなく天才笠井と同じ時代に生まれてしまったがために、人間としてダークサイドに堕ちてしまった雨宮視点の物語を読みたい。続編希望。

     
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    錯覚

    仙川環

     
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    サクッと読める。「ミステリを装ったメッセージ作品」の印象が強い著者だが、今回はあくまでミステリ、だと思う。

     
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    ヘッドライン

    今野敏

     
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    連載小説の宿命かもしれないが、描写の繰り返しがしつこくそれが話の流れをぶつ切りにしている。主人公の一人に全く好感を抱くことができず辟易。黒田刑事だけで仕立ててほしい。

     
  • ロマンス

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    ロマンス

    柳広司

     
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    久々に初期の柳広司ワールド。テイストとしては、『新世界』『はじまりの島』あたりだろうか。事件の謎解きに重点が置かれておらず、2.26前夜の不穏な日本の空気感が全体を覆っており、異端の華族・清彬の閉塞感がやるせない。読了後、表題の意味を理解し、撃沈。

     
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    沈黙への三日間 <下>

    フランク・シェッツィング

     
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    下巻で急激に物語は動く。確かに、この作家は前置きがすごく長い作家だった。が、上巻なくして下巻の凄味は伝わらない。欧州人の捉える民主主義の欺瞞とテロリズムの変容を興味深く読んだ。

     
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    沈黙への三日間 <上>

    フランク・シェッツィング

     
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    1999年、ケルンが舞台。おそらくテロ阻止役であろう、物理学者と出版社広報ウーマンのくだりが延々と続くのは何かの伏線なのか?

     
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    敗者の嘘 アナザーフェイス2

    堂場瞬一

     
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    『鳴沢了シリーズ』以来、シリーズものとしては当たり!かも。ぐぃっ!と来るものはないのに、鉄のナルシストぶりとイケメンぶりモテモテぶり描写のくどさに辟易なのに、何故か、鉄と仲間たちをずっと見ていたい、と思わせる何かがある。それが何かわかるまできっと読み続けるだろう。

     
  • 影の肖像

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    影の肖像

    北川歩実

     
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    昔流行ったサイエンスサスペンス。これも10年以上前に発表されたものの文庫化。映画『私の中のあなた』と似たような設定。医学の進歩は、できることとやってよいことの線引きを更に厳しく問われることになりそう。

     
  • ポジ・スパイラル

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    ポジ・スパイラル

    服部真澄

     
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    一言でいえば、時代遅れ。海洋の環境再生をテーマに据えたことは、初出の2007年当時は旬だっただろうし、夢と希望の未来を語る新しい政権は魅力的に映っただろう。しかし、現実は…。幻想は正に幻であったことが明らかになり、既存メディアのプロパガンダは神通力を失いつつある。僅か3年前の作品とは思えないほど、現実の変化は超速なのだと改めて痛感する。

     
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    燔祭の丘

    篠田真由美

     
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    建築探偵桜井京介シリーズのファイナル。シリーズ当初はふつうに一話完結のミステリだったが、途中から桜井京介と仲間たちの自分探しの果てしない旅物語になっていったような。ともあれ、きっちり「完」となってよかった。

     
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    ファントム・ピークス

    北林一光

     
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    とにかく描写が巧くてぐいぐい読ませる。話は正直どうということはないし、登場人物も妙に存在感が希薄なのに、何故か読むのをやめられず一気に読了。不思議な読後感。